イギリスにおける外国人配偶者ビザの問題点

イギリス人のダンナさんと日本人の私は1995年に日本で結婚し、20年以上を日本で生活してきた。その間の彼のビザ(在留資格)は「日本人の配偶者」というもので、最初は1年、その後更新する度に3年、5年と有効期間が長くなっていった。

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 最初にこの配偶者ビザを取得するにあたり、二人の関係性を証明する書類の提出が必要であったが、不法滞在や偽装結婚などの問題を抱える国であれば当然かな、と思うくらい良識の範囲内だった記憶がある。

 念のために、2017年の現在「日本で外国人が”日本人の配偶者”という在留資格を申請」するための要件を、法務省のホームページで確認してみると、戸籍謄本や結婚証明書、納税証明書や源泉徴収票といった基本的書類に加えて

  • いつどこで出会ったのか?何語で会話をしているのか?などの質問票
  • 2人が写っている写真の提出
  • 過去のお互いの国への渡航歴

などの「二人の関係性を証明する書類」が必要となっており、これは20年前とほとんど変わっていないようだ。

www.moj.go.jp

多少プライベートな事を聞かれてしまうので不愉快な思いはしても、偽装結婚ではなく本当に普通に結婚していれば特に問題はなく、決してハードルが高いものではない。たとえば

  • 住んでいる住居のタイプや間取りが一定の基準に達しているか
  • 日本人配偶者の現職の年収金額が平均を上回っているか
  • 職を失っても失業保険に頼ることなく、一定の水準の生活を数年つづける貯蓄があるか
  • 外国人配偶者の日本語能力が「英検準一級」相当であるか
  • 外国人配偶者の日本文化への理解が「日本人でも知らないコト」に精通しているか

などなど、経済面・語学面・日本への適合面において一定のレベルに達していないと、日本で配偶者と一緒に生活することはできませんよ、なんて無慈悲な事を日本国は外国人に向かって言わない。

 

確かに日本で外国人が選挙権を持つには至っていないあたり、まだまだ途上中の部分もあるが、日本で働き、生活し、税金を納めている外国人を排斥しようとはしていない。

 

実際日本で過去20年を過ごしたイギリス人のダンナさんは、一定の収入があれば国民健康保険に日本人と同じ条件で加入できたし、医療機関で何か月も待たされることなく、必要な治療を受けることができ、手術などが必要になれば高額医療保険も効いた。日本という国は、私の外国人配偶者に対して、なんら区別も差別もすることがなかった。

 

そんな国で20年を過ごした後に、さてダンナさんの国で住もうか?となった時に直面したのが、イギリスにおける外国人配偶者ビザ取得のハードルの高さ。そして福祉関連における徹底的な外国人差別だ。

 

イギリス人と国際結婚したカップルや家族が、イギリスの排他的な政策により、イギリスで一緒に住むことができない・・・という現状が、かなりの頻度で報道されるようになった。

 

それは決して、経済的に発展していない途上国からの不法労働者を取り締まる、という次元のものではなく、単純に純粋に愛し合う者同士に対して「悪いけど外国人と結婚した人はイギリスに住まないで、よその国へ行ってもらえる?」と三下り半を叩きつけているようなものだ。

 

www.bbc.com

 

www.bbc.com

さきほとリストアップした無茶ブリ要件だが、実はこれ、外国人が「イギリス人の配偶者」としての在留資格を取るために必要な要件の一部なのである。うわっ。

 

  • 住んでいる住居のタイプや間取りが一定の基準に達しているか
  • イギリス人配偶者の現職の年収金額が平均を上回っているか(年収360万以上)
  • 職を失っても失業保険に頼ることなく、一定の水準の生活を数年つづける貯蓄があるか(約1千万)
  • 外国人配偶者の英語能力が「英検準一級」相当であるか
  • 外国人配偶者のイギリス文化への理解が「イギリス人でも知らないコト」に精通しているか

 

ふむ、これは、病気でフルタイム勤務ができないダンナさんと、バリバリのフルタイムワーカーの私が、ふたりで一生懸命働いで、質素でささやかな生活をしている私達にとっては、非常にハードルが高い。しかも一度事業に失敗しているため貯蓄額もまだ7桁とまりだ。

 

このブログの最初の投稿にも記したが、この大英帝国の時代錯誤な支配者ぶりに辟易した私達は、アイルランドへ移住することを決意したのであった。

 

headingnowhere.hatenablog.com

 時まさに、世界中に吹き荒れるポピュリズム台頭、大衆を煽りつつナショナリスト化していくご時世。こんな時に、よりによって、ハードブレグジットの道を歩むイギリスというのは、外面も内面もアジアンジャパニーズの私が、マイノリティの移民として、心穏やかに生きていく地となり得るのか?

 

the answer is No, at the moment.

 

一方そのころアイルランドのダブリンでは・・・

 

つづく